宇宙人を学ぶ › UAPの公式情報
UAPとは何か:米政府が公式に認めていること・否定していること(2004〜2026年の全記録)
UAP とは「未確認異常現象(Unidentified Anomalous Phenomena)」。米政府が2022年頃から UFO に代えて使う公式用語で、空だけでなく宇宙・海中の現象も含めます。「未確認」は「宇宙人の乗り物」を意味しません。映画『ディスクロージャー・デイ』が下敷きにした2017年の報道から、2026年のファイル公開まで、政府が何を認め、何を否定したかを一次資料で追います。
年表 2004〜2026
- 2004-11-14ニミッツ「チックタック」事件。空母打撃群が南カリフォルニア沖で白いタブレット菓子形の物体を目撃・赤外線撮影。原因は公式に未解明(事件簿)
- 2017-12-16ニューヨーク・タイムズが国防総省の秘密調査計画 AATIP(予算約2,200万ドル)を報道。映像も流出。スピルバーグの着想源
- 2020-04-27国防総省が映像3本(FLIR1・GIMBAL・GOFAST)を「本物の軍の映像」と認めて公開。正体は未確認
- 2021-06-25国家情報長官室(ODNI)の予備評価。144件のうち説明できたのは1件(しぼみかけた大型気球)、18件で「異常な動き」の報告
- 2022-05-17下院情報委の公聴会。議会の公開公聴会は50年以上ぶり
- 2022-07国防総省に AARO(全領域異常解決局)設置
- 2023-07-26元情報将校デヴィッド・グラッシュ氏が下院で「政府は墜落機の回収・リバースエンジニアリング計画を持ち、人間ではない生物の遺体も回収した」と宣誓証言。ただし伝聞で、具体的証拠は示されず。議会周辺でこの日は「Disclosure Day」と呼ばれた(事件簿)
- 2023-09-14NASA の UAP 独立研究チームが報告。「地球外由来だという証拠はない」。データの質が問題と指摘
- 2024-03-08AARO 歴史報告書 第1巻。1945年以降の政府調査を精査し「地球外技術の経験的証拠はない」「政府が隠したり回収したりした証拠もない」
- 2024-11-13下院公聴会と AARO 2024年次報告。757件のうち21件が「追加分析に値する」。累計1,652件。地球外の証拠なし
- 2025-09-09下院監視委タスクフォース公聴会。イエメン沖でミサイルが球体に当たってはじかれたように見える映像(2024年10月撮影とされる)が公開。政府の説明は出ていない
- 2026-02-19トランプ大統領が国防総省などに UFO・UAP・地球外生命関連ファイルの公開を指示
- 2026-05-08〜09-18公開サイト PURSUE で6回に分けてファイル公開(第1弾は160超の文書と動画20本)。国防総省は「正体を断定できない未解決事例」と説明し、地球外生命は確認せず
- 2026-07AARO FY2025 年次報告(下記)
- 2026-07-22下院が UAP 開示法を国防権限法に組み込んで可決。上院の扱いは2026年10月初時点で未確定
- 2026-07-31ODNI が、守秘義務契約にかかわらず UAP 情報を申告できる手続きの予備ガイダンス
AARO FY2025年次報告の数字(原文PDFで確認)
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 対象期間 | 2024年6月2日〜2025年5月30日 |
| 新規受付 | 319件(空274・宇宙44・海1) |
| 期間中に解決 | 370件。すべて気球・衛星・鳥・航空機・ドローン等の「ありふれた物体」 |
| 衛星の太陽光反射と判定 | 238件(新しい3Dモデリング手法) |
| 追加分析に値する | 9件 |
| データ不足で保留 | 191件(アクティブ・アーカイブ) |
| 累計受付 | 1,870件(2025年5月30日時点) |
| 健康被害・飛行安全上の懸念 | いずれも0件 |
| 回収物 | 「米政府や民間が UAP 由来の物質を捕獲・解析したことを示す証拠はない」 |
| 形状 | 光33%・球状40%が最多 |
認めていること・否定していること
| テーマ | 公式に認めていること | 公式に否定・「証拠なし」 |
|---|---|---|
| UAPの存在 | 説明できない目撃が残っている | — |
| 地球外由来 | — | 証拠は見つかっていない(AARO 2024・NASA 2023) |
| 墜落機・回収物 | 回収物を扱う手続きを「将来に備えて」整備中 | 捕獲・解析の証拠なし。歴史的にも隠蔽の証拠なし |
| 安全保障 | 軍事施設周辺の目撃は潜在的な脅威になりうる | 外国の画期的技術を示す解決事例はない |
| 映像 | 2020年の3本は本物 | 正体が宇宙船だとは認めていない(GOFAST は低速の物体と解析) |
| 情報公開 | 2026年に6回公開、NDAにかかわらず申告できる手続き | 公開資料に地球外生命の確認は含まれない |
| 内部告発 | 宣誓証言が行われた | 証言内容を裏づける証拠は公式に確認されていない |
2023年の「回収計画」証言はどうなったか
グラッシュ氏の証言は、映画の「non-human biologics」という言い回しの元になりました。公式調査(AARO 歴史報告書)は2024年に「その証拠はない」と結論しています。一方で2026年のファイル公開と守秘義務免除の手続きは、こうした主張を検証できる環境づくりという意味があります。証拠が出れば科学者も認める、というのが基本姿勢で、2026年10月時点で出ていません。
映画との距離
『ディスクロージャー・デイ』のワーデックスは、議会のチェックが届かない民間請負企業として描かれます。現実の公聴会でも「議会の監督が及ばない計画」は繰り返し論点になりましたが、公式調査はその存在を否定しています。映画が現実と重なるのは「問いの立て方」であって「答え」ではない、というのが正確な距離感です。